柿苗
当農園で取り扱っている、代表的な柿苗をご紹介します。
農研機構にて「富有」×「ⅡiG-16(「次郎」×「カキ興津15号」)」より選抜育成され、樹勢は「松本早生富有」並みで中位、雌花、雄花、完全花の3種を着生する。果実は、「松本」よりかなり大きく約400g程度と成り扁円形の完全甘柿である。糖度は16〜18%位で「松本」より1〜2%高く果実の日持ちも良好で成熟期は11月上旬で「松本」と同時期だが大果型の完全甘柿として期待される。
農研機構にて「伊豆」×「109−27(「カキ興津2号」×「カキ興津17号」)」より選抜育成された早生の完全甘柿である。
果重は、250g位で肉質は緻密。
扁平で糖度は14〜15%、へたすきが少なく日持ちも良い。
収穫期は9月下旬〜10月上旬で「西村早生」に代わる有望品種として期待出来る。
「甘秋」×「カキ安芸津19号」(「大御所」×「太秋」)
良食感で、種なし果の生産が可能な早生の完全甘ガキです。完全甘ガキに特異的に生じやすいへたすき果がほとんど発生せず、中生の代表的な完全甘ガキ品種である「松本早生富有」より10日程度早い10月中下旬頃に収穫できる。果汁が多く、果肉が軟らかいため食味が良好である。受粉樹を周囲に混植しなくても早期落果が少ないため、種なし果の安定生産が可能です。夏秋期の気温が高い地域に適応し、「松本早生富有」または「富有」の栽培地域で栽培が可能である。
「甘秋」×「カキ安芸津19号」(「大御所」×「太秋」)
農研機構において育成された完全甘柿。成熟期は早生で、10月中下旬であり、「松本早生富有」より2週間程度、「富有」より1ヶ月程度早い。280g程度の果実が得られ、果実は腰高の丸みを帯びた扁円形である。肉質の粗密は中程度、糖度は18%程度であり、「松本早生富有」及び「富有」より高糖で軟らかく、果汁が多く、食味が優れている。果頂裂果はほとんど発生せず、へたすき果についてもほとんど発生が認められず、外観に優れるカキといえる。日持ちは平均24日で「松本早生富有」並みに長い。「麗玉」は、外観が良く麗しいふくよかなカキのイメージに因んで名付けられた。
「興津20号」×「太秋」
樹勢は「富有」並みで、樹姿は開張と直立の中間。雌花が多い上、受粉樹を混植しなくても早期落果が少なく、後期落果しないため、種無し果の安定生産が可能。収穫期は11月下旬で、「富有」とほぼ同時期であり、大きさも「富有」と同程度である。糖度は16%程度で、柔軟多汁で、サクサクとした食感が特徴である。
(注)栽培条件によって種子が入る場合がある。
農研機構にて「伊豆」×「カキ安芸津5号(「富有」×「カキ興津16号」)」より選抜育成された。
果実は完全甘柿で「伊豆」と「松本早生」の中間(10月中旬)に成熟し、果形は扁平で平均350gの大果、果汁が多く日持ちも良好でへたすき、裂果が少なく結実性も安定している。
農研機構にて「黒熊」×「太秋」の交配した実生から選抜された晩生の不完全渋柿である。果形は扁平で果実重は500g程度と著しく大きい。肉質は軟らかく、多汁で食味が優れる。収穫期は11月上中旬である。栽培に当たっては、安定生産のために開花期の合う「禅寺丸」などの授粉樹を混植するとよい。
農研機構にて「黒熊」×「太秋」の交配した実生から選抜された中生の不完全渋柿である。果形はやや腰高い扁平で果実重は平均450g程度と大きい。肉質は軟らかく、多汁で食味が優れる。収穫期は10月下旬〜11月上旬である。栽培に当たっては、特に授粉樹を混植する必要はない。
広島県の原産で干し柿の代表品種である。樹勢は強く、直立性で、果形は細長く卵形で果皮は黄緑色、横断面は方円形、4条の深い側溝がある。果実は150〜200g程度で、熟期は早い系統で9月下旬から、晩い系統で11月上旬にかけてである。
福岡原産の渋柿と言われ、干し柿用の代表的品種。樹勢は強く豊産性で隔年結果が少ない。果実は約250g位で、豊円形で溝はない。熟期は11月中下旬で日持ちが良い上、甘味が強く営利栽培に適する。
愛媛県原産の渋柿で、最晩生の干し柿用品種である。樹勢は強く、果実の大きさは180~280g位とやや大果で、果形は長形で楔形、溝は全く無い。隔年結果が少なく、豊産性である。