柑橘苗 温州

当農園で取り扱っている、日南一号・上野早生・ゆら早生・宮川早生など、温州の柑橘苗をご紹介します。

日南1号

日南市の野田明夫氏の園の「興津早生」の枝変りとして発見された。極早生温州で9月上旬頃より収穫され、樹勢強く、樹姿は開張性である。果実の外観は扁円、果面は極めて平滑、果皮はうすく従来の極早生より糖度が数段高く極早生品種のなかでは、最も多く植栽されていると思われる。

上野早生

佐賀県の上野寿彦氏が「宮川早生」の枝変わりとして発見した品種である。樹姿、樹勢は「宮川早生」と同程度で、結実性は良好で豊産性であり、栽培しやすい系統である。果形は「宮川早生」よりやや扁平で玉揃いがよく、果面はなめらかで果皮は薄い。成熟期は「宮川早生」と比べると10~15日程度早く、極早生の中ではとりわけ早いわけではないが、糖度が比較的高く食味が濃厚で、熟期が早い割りに11月に入っても味ボケせず、浮き皮の発生が少ない。

ゆら早生

昭和60年に和歌山県の園で「宮川早生」の枝変わりとして発見された。樹姿は開張性、樹勢及び枝梢の太さは中、節間は短い。果形は円形、果実の大きさはやや小。果皮及び果肉の色は極早生としては濃い黄橙色。果皮はやや厚いがじょうのう膜は軟らかい。極早生としては糖度が高く(12%程度)、減酸は中程度。育成地では成熟期は10月上旬。

宮川早生

福岡県で明治末期に普通温州の枝変わりとして発見され、全国的によく知られた早生の代表的な品種である。樹勢は強く、豊産性で作り易い。じょうのう膜は軟らかく、糖酸共に高く食味濃厚で特に施設化向けの品種として最適である。

田口早生

本品種は、「興津早生」の枝変わりで、樹勢は中程度。果形は円形、果実は120g程度である。果汁が多く、糖度は12〜13%。浮皮の発生が少なく、貯蔵性も良好で、熟期は育成地(和歌山県)において、11月上旬である。じょうのう膜は柔らかい有望品種である。

興津早生

本品種は現在の早生種の代表品種であり、全国的に知られた品種である。旧農林省園芸試験場(現農研機構果樹茶業研究部門)において「宮川早生」×「カラタチ」を交配して得られた種子からの珠心胚実生である。樹勢は強く優良系統で果実は扁平、味は濃厚で結実性はきわめて良く豊産である。
熟期は10月下旬〜11月上旬である。

南柑20号

早生温州に引き続いて年内に出荷される中生品種の中心的品種で、結実性良好、豊産性であり隔年結果は少ない。果実はやや大果の傾向で玉揃いはよい。果形はやや扁平形で、果皮色は濃厚で深みのある外観である。成熟期は11月上~中旬である。

石地

本品種は、「杉山温州」の中から発見された変異樹であり、果形が扁球形、果実の重さが中、果皮色が濃橙色の育成地(広島県)では、11月中〜下旬に成熟する温州みかんである。樹姿はやや直立性、樹の大きさは中、樹勢は強である。浮皮の発生が少なく、貯蔵性も良い。年内出荷の中生種として有望な品種である。

尾崎温州

長崎県で宮川の枝変りとして発見された。樹勢はやや弱い。葉色は濃く、新梢の発生も多い。収穫は、11月下旬〜12月上旬。高糖系温州で、浮皮が少なく、完熟品種として有望品種である。

大津4号

神奈川県の大津氏が育成した珠心胚実生。樹勢は旺盛で、枝の分岐角度は広く、枝梢の発生も多い。結実性は良好で果実はきわめて扁平大果である。玉揃いは極めて良好で、着色は11月中旬に完全に着色し、果皮は平滑で美麗で濃厚な橙色となる。果汁は糖度が高く、酸は少なく甘味比が高く、食味が早くから良い。

青島温州

静岡県福田谷、青島平十氏が、市内賤機山北面にある尾張温州園で芽条変異として発見された。果実は大果で、きわめて扁平で果重は130g位、果面は油胞が小さくなめらかで、果皮はしまり浮皮になりにくい。果汁は糖、酸ともに多く風味濃厚で貯蔵性は良好である。